アメリカH4ビザでメリーランド州の運転免許を取る
日本の運転免許証を持っているときに、アメリカのH4ビザでメリーランド州ボルチモアにて車の運転免許証を取る手順や、手続きに必要な持ち物、体験談を、まとめて記載します。
2018年1月現在の情報であることと、州ごと・窓口担当者(!)によって必要な対応が異なることはご了承願います。
まず、基本となるのは在米日本大使館とメリーランド州のMVA(自動車管理局)のサイトです。
日本の運転免許センターで取得する国際免許証の有効期間1年というのは日本側の規定なため、事前にその州の規定も調べておく必要があります。(詳細はこちらのブログや領事館のサイトなど参照。)
ビザ滞在(居住者)は旅行者(非居住者)と扱いが異なることもあります。H4ビザでも、例えばメリーランド州では60日以内、カリフォルニア州では10日間以内に各州での免許証取得が必要です。
期間を過ぎて取れたケースもあるかもしれませんが、アメリカに着いたら期間内に免許を取得するという認識のほうが間違いないと思います。
もちろん、日本の運転免許証を活用せずに現地で教習を受けて取得する場合は別かもしれません。教習所の料金は日本に比べてかなり安いようです。
2018年1月現在のメリーランド州の規定では、有効な日本の運転免許証があればお酒やドラッグなどに関するかんたんなマーク試験(下記の③参照)のみで、交通ルールの試験も実技試験もなく免許を取ることができます。(とは言っても交通ルールは日本といろいろ異なるため、試験はなくても運転前に学んでおくことは必須です。テキストはこちら、模擬テストはこちら。)
運転免許証は身分証として使えて、小さいし丈夫だし住所も顔写真も入っているので、パスポートより便利です。
- 手順と持ち物について
- ① アメリカへ旅立つ前に、日本の運転免許センターで国際免許証(≒日本の運転免許証を翻訳したもの)を取得しておく。
- ② アメリカに着いたら、最寄りの社会保障事務所(SSO=Social Security Office, またはSSA=Social Security Administration)をGoogle mapなどで探して、SSNの無資格証明を出してもらう。
- ③ アルコール&ドラッグ講習(Maryland 3-Hour Alcohol and Drug Education Program)を受けて修了証をもらう。
- ④ (②,③と同時進行でOK) (①で日本で国際免許証を取ってからアメリカへ来た場合は省略してOK) 日本の運転免許証の正式な翻訳を手配する。
- ⑤ MVAで申請する。
- ⑥ 郵送で運転免許証が到着する。それまではMVAで渡される紙の免許証を使う。
- 各手順の体験レポート
- 感想
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手順と持ち物について
① アメリカへ旅立つ前に、日本の運転免許センターで国際免許証(≒日本の運転免許証を翻訳したもの)を取得しておく。
※ ここで取得しておかないと、アメリカに着いてすぐ運転できないのと、アメリカに着いてから④の手続きが必要になります。
② アメリカに着いたら、最寄りの社会保障事務所(SSO=Social Security Office, またはSSA=Social Security Administration)をGoogle mapなどで探して、SSNの無資格証明を出してもらう。
※ H4ビザでSSNが持てないことをMVAに示すために必要な書類。有効期間は30日。“ineligibility proof”や”letter of SSN ineligibility”などと言えばOK。詳細はこちらのブログ参照。
※ 申請したその場で発行されて受け取れます。わたしのときは待ち時間込みで20分程度でした。
※ 申請無料で、持ち物は以下のとおりです。返却されるので原本でOK。
(1) 住所を証明するもの (わたしのときは、医療保険会社からわたし宛てに届いた会員登録完了の手紙でOKでした。)
(2) 有効なパスポートの原本
(3) 最新のI94 (一応あったほうがよい) (公式ページの”Get Most Recent I-94”で入手)
(4) H4ビザの元であるH1Bビザ保有者のパスポート (一応あったほうがよい)
③ アルコール&ドラッグ講習(Maryland 3-Hour Alcohol and Drug Education Program)を受けて修了証をもらう。
※ (1)会場で講義→その場でテスト受験、(2)オンライン講義→受験会場でテスト、のどちらかです。MVAのサイトから選べます。
オンライン講義自体は自分のペースでできますが、それ以外は会場と日時が指定で、事前予約が必要なことも多いので早めに調べて申し込んでおくと安心です。
※ わたしは(2)の#1-3A Method Driving Schoolでやりましたが、オンライン講義はいろいろ中断しながら生真面目にやったら丸1日かかってしまいました。しかし3 hour と言われるくらいだし普通ならもっと早く終わるはずです。テストは4択20問で、受付して修了証をもらえるまで20分程度でした。
※ (2)の場合、テストの際の持ち物は以下のとおりでした。返却されるので原本でOK。
・オンライン講義の受講証明 (サイト画面から印刷できるようになっていました。)
・有効なパスポートの原本
・住所を証明するもの (医療保険会社からわたし宛てに届いた会員登録完了の手紙でOKでした。)
・最新のI94(手順②参照)
・SSNもしくはSSNの無資格証明(手順②参照)
・申請料$50 (カード不可な受験地もあるので要注意) (受講先により若干の金額の差あり)
④ (②,③と同時進行でOK) (①で日本で国際免許証を取ってからアメリカへ来た場合は省略してOK) 日本の運転免許証の正式な翻訳を手配する。
手配する方法は下記の(1)または(2)によります。知り合いに頼んだ翻訳は認められないので注意。
(1) 在米日本大使館(または管轄の領事館)へ行き、「自動車運転免許抜粋証明書申請書」で取得する。
※ わたしのときは5分くらいの申請手続きで1時間後に入手できました。公式では申請した翌日の受取で、代理人受取の場合は委任状が必要となっています。
※ 持ち物は以下のとおりです。
・申請書
・有効なパスポートの原本
・有効な日本の運転免許証の原本
・申請料$19 (2018年1月現在。クレジット不可、釣りなし現金のみ)
(2) MVA指定の翻訳者と連絡を取って翻訳してもらう。
※ こちらに指定翻訳者リストのリンクがあります。
⑤ MVAで申請する。
※ こちらで”MVA Locations”のみ選択すると、手続き可能なFull Serviceの最寄りMVAが出てきます。
ちなみにわたしが行ったのはこちら。土曜日で、待ち時間込みで2時間くらいかかりました。
※ 持ち物は以下のとおりです。返却されるので原本でOK。
(1) 住所を証明するもの2つ
→ こちらの持ち物ガイドで進んでいくと、なにが有効か見られます。外国人居住者向けのガイドではないため税証明(※ITIN=納税者番号、確定申告のときに使われるもの。)が必要とか出てきますが無くてもOKでした。
→ わたしのときは、医療保険会社からわたし宛てに届いた会員登録完了の手紙はだめでした。旦那さんの名前のみ入った、電気・ガスの請求書と家の保険の請求書はOKでした。家賃の請求書、銀行からの手紙、車の登録証なども使えるようですが、下記(2)〜(7)とは別に必要です。旦那さんの名前のみだとだめな場合もあるそうなので、可能なものは事前になにかと連名で登録しておいたほうがよいかもしれません。
(2) 有効なパスポートの原本
(3) 最新のI94 (手順②参照)
(4) SSNもしくはSSNの無資格証明 (手順②参照)
(5) ドラッグ&アルコール講習終了証明書 (手順③参照)
(6) 有効な日本の運転免許証の原本
(7) 日本の運転免許証の翻訳 (国際免許証。なければ大使館かMVA指定翻訳者に翻訳してもらったもの。手順①④参照)
(8) 申請料$9/年 (2018年1月現在。運転免許証の有効期間は提示したビザの有効期間まで。カードでも現金でも可)
※ わたしのときは提出を求められませんでしたが、一応、H4ビザの元であるH1Bビザ保有者のパスポートと雇用証明の写しも持っていきました。
※ 身長と体重も記載されるので、feetとlbsで言えるようにしておきます。
⑥ 郵送で運転免許証が到着する。それまではMVAで渡される紙の免許証を使う。
※ わたしのときはMVAに行った4日後にポストに入っていました。
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各手順の体験レポート
①④について
わたしは日本で国際免許証を取ることなくアメリカに行って焦りました。笑
焦って緊急一時帰国しなくてよかった。
(2)は翻訳者と連絡を取らないと取得日数も手数料も分からないことがわずらわしく感じてしまったので、(1)在米日本大使館にお願いすることにしました。
正面ロータリーの警備員へ事前に記入しておいた申請書を見せて説明すると、いちばん東側の棟(道路側ですがあまり目立たない扉)から入るように指示されました。
車で行きましたが路肩は結構埋まっていたので、わたしだけ降ろしてもらって建物内へ。入口にちょっとしたセキュリティチェックのゲートがあります。申請窓口はこじんまりしていて、日本語表記・日本語対応でした。
平日のお昼前に行って、待ち時間はゼロで、申請手続きも5分くらいでした。1時間後には渡せると言われたので、周辺を観光して午後に受け取って帰りました。手数料は受取りの時の支払いで、申請の際に現金でなるべくお釣りのないようにと言われました。
②について
Social Securityの公式サイトを見てもよく分からなかったので、他の方の体験談を元に行ってきました。
行ったのはRotundaというショッピングモールの中にあるBaltimore Social Security Office。車でもバスでも行けそうです。建物南側の入口から入ってEVに乗り4Fへ行くと、小さいオフィスがあります。
平日の午後、受付番号を機械で発行してから待ち時間15分・窓口5分程度で入手できました。カウンターでの対応は、運転免許を取るのに必要なのですと言ったら特に訝しがられることも冷たくされることもなく、提出書類はその場で確認して返却されました。
③について
オンライン講義→受験会場でテストを受けました。出題内容は、オンライン受講のプレテスト(こちらのブログで見られます)がそのままでした。順番が少し変わってたくらい。他の方の体験談や周りの人を見ても、だいたいさくっと合格しているようです。
受験会場は、オンライン講義のサイトごとに指定されています。#1-3A Method Driving Schoolでは、ホテルとかショッピングモールとか病院とか、いろいろな施設のちょっとした部屋を借りて実施されるようでした。
わたしが行ったのは予約不要で○時から○時の間に来てね、という会場だったので、いろいろな人が出たり入ったり、付き添いの人もそのまま近くに座っていてよいし、緊張感はまるでなかったです。
提出書類を確認→申請書を記入→問題と解答用紙を渡されて解く(たぶん制限時間なし)→採点してもらって合格したら支払い&証明書受領、という流れで、全部で20分程度で終わりました。
申請書は大文字(capital letter)での記名、証明書はサインが求められました。(サイン文化については別記します。)osanpopenguin.hatenablog.com
⑤について
MVAは、対応がよくない場所も多いと聞きます。実際、距離的に2箇所のMVAで迷いましたが、そのうちGoogle評価が少しでもよかったNorth Plaza Shopping CenterにあるMVA(Loch Raven)に行ってきました。
土曜の9時半ごろに行って、待ち時間は1時間半、申請手続きは30分ほどかかりました。待ち時間は長かったけれどショッピングモール内なので買い物もできるし、対応に不快な点はなにもなかったです。申請手続き後に担当者の前で、対応についての3段階評価もしたりしたので、マナーはよいほうなのかもしれません。着いてからは次のような流れでした。
(1) 受付 (カウンター前に並んで順番が来たら、日本の免許証をこっちのにtranslateお願いしたいんだけどと伝えると、試験に案内されることもなく通じました。パスポートと日本の運転免許証とドラッグ&アルコール講習終了証明書を確認されたのち、受付番号を渡されました。)
(2) 番号を呼ばれたらブースへ移動して書類の確認
(3) その場で写真撮影 (座っている脇にカメラがあります。)
(4) いろいろ質問されて受け答え (日本で最初に免許取ったのは何歳?西暦何年?とか、〇〇協会に寄付しますか?を3つくらいとか、精神・身体的な障害はないかとか、身長・体重など)
(5) わたしはSSNを持てないので、持てるのに持ってないって嘘つくと罰則あるよの同意をタブレットにタップ
(6) タブレットにサイン (免許証にも載ります。)
(7) 視力検査 (めがねやコンタクトを使ってるか聞かれます。わたしは裸眼=naked eyeなのでそのまま両目でレンズを覗き込みました。アルファベットが4列くらい並んでいるので、指示された列について左から読み上げます。次に左右の端でオレンジ色が点滅するので、ちゃんと両方見えますと言って、終了しました。)
(8) 申請料を支払い
(9) 免許証が郵送されてくるまでの紙の免許証を渡されて、アンケートに答えて、終了。
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感想
わたしの場合は、調べて行動開始してから運転免許証が手元に届くまで20日間ほどかかってしまいました。
ひとりでできる部分はよくても、調べたり予約が必要だったり、旦那さんに協力をお願いするところは週末や仕事が休める日でやっていくと、油断していると60日間というしばりは意外とすぐにやってきます。
実は、最初にSSAに行ったのがたまたまトランプ大統領の時のシャットダウン期間中だったために発行してもらえず、シャットダウンが終わった翌日に再訪して無事発行してもらったなんてこともありました。笑
手続きで思わぬトラブルがあっても困るので(この書類じゃだめだよとか、SSNの無資格証明の内容確認がMVA側で必要だからとMVAに2回行くことになったという事例もあるようです)、早めの確認・行動がよいかもしれません。
少しでもお役に立てれば幸いです。